ここに2018年10月期におけるカナモトグループの活動状況を報告し、今後の方針を申し述べます。
当期の日本経済は、やや伸びが鈍化したものの、依然として好調な企業収益を背景に雇用・所得状況の改善傾向や設備投資の緩やかな増加から、引き続き堅調な推移をみせました。
しかしながら、米中の貿易摩擦の影響による世界経済の不確実性などに鑑みると、景気後退リスクも含んでおり、顕在化した場合の日本経済や当社が展開しているアジア地域への影響にも十分な注意を払っていきたいと考えています。
当社グループのコアビジネスである建機レンタルの主要顧客である国内建設業界におきましては、公共工事の下支えに加え、とりわけ首都圏エリアにおける民間の大型再開発案件、東京五輪関連工事の本格的な進捗、またリニア中央新幹線に代表される大型交通インフラ建設・整備等もあり、引き続き建機レンタル需要は底堅く推移いたしました。
一方で、高騰する資材や慢性的な人手不足、工事量の地域間格差の拡大等の課題が顕在化しており、引き続き成長ステージを維持していくためには、対応力を高め更なる企業体質の強化が不可欠であります。また、西日本豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震など、相次ぐ自然災害に対する復旧支援活動は当社グループの重要な使命であり、引き続き、全国を網羅した拠点ネットワークを活かしたレンタル用資産の供給体制の構築を目指していきます。
進行中の長期ビジョン「BULL55」は、概ね予定通りの成果を以て経過しております。今後も建設需要と顧客ニーズの双方に即応できるレンタル用資産の最適保有量と機種を確保し、お客様にいつでも利便性を提供するというレンタルビジネスの基本を堅持しつつ、新システムの高度運用による一層の業務効率化と生産性向上を具現化させながら、重点施策を推進していきます。
今後も「高収益を基盤として、顧客・社員・株主に報いる、良質で強力な企業集団」という長期ビジョンの目標を実現し、2019年10月期を最終年度とする「BULL55」の完遂に向けて邁進する所存です。
株主・投資家の皆様におかれましては、当社グループへの変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。