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第47期事業報告書 [2010(平成22)年11月1日から2011(平成23)年10月31日まで]

営業の状況

経営環境

当連結会計年度における日本経済は、低調な景況感で推移したものの比較的落ち着いたスタートでした。しかしながら、東日本大震災によって状況は一変し、サプライチェーンの寸断で生産が停滞したことで国内外に大きく影響し、経済活動は大きく下押しされました。また、原発事故に伴う風評問題や消費自粛ムードの広がりが国内経済に陰を落とす中、深刻化する欧州債務危機により世界的な経済、金融市場の混乱、新興諸国の経済減速の顕著化、さらには長期化する円高など、日本の産業界には極めて厳しい経済情勢が続きました。
東日本大震災発生以降、当社グループの主力事業である建設機械レンタル関連事業におきましては、東北と関東の被災地域での復旧・復興に伴う建設機械需要と、電力問題に伴う発電機需要がそれぞれ拡大しました。一方、被災地域以外では公共事業予算が削減され、民間設備投資も一部の大都市圏を除き沈滞傾向にあったことから、地域によって経営環境は二極化する状況でありました。
当社グループでは、東北地方の復旧・復興活動に尽力することが社会的使命と心得え、震災発生直後に対策本部を設置し緊急支援物資と建設機械の供給体制を整えたほか、整備スタッフを中心に応援隊を派遣するなど、現地の支援に努めました。また、その他の営業域においても足許を固め地域シェアの堅持に努めた結果、北海道地区を除く全地域において売上高は前年を上回り、レンタル単価の若干の改善もあって大きく伸長しました。
利益面においては、震災対応から建設機械の確保を優先し、自社保有の中古建機売却を順延したことなど利益の減少要因がありましたが、建機レンタル収入が東日本大震災により大幅に伸長したこと、非被災地域でも豪雨災害復旧などで比較的堅調であったこと、また前述のレンタル単価の一部改善もあり資産稼働率が向上しました。一方で当社資産が地震、津波に被災し損失計上を余儀なくされましたが、年金制度変更による特別利益の発生もあって相殺されるなど、前期を上回る利益を確保することができました。なお、昨今の経済環境を考慮して、貸倒債権の増加を見込んでおりましたが、日々の徹底した債権管理が奏功した結果、当該債権の発生は僅少でありました。 連結セグメント別売上高および売上比率  連結セグメント別売上高および売上比率

経営の経過および成果

■ 建設関連事業

当社グループ全体の建設機械関連事業における業績につきましては、売上高が647億11百万円(前期比0.7%増)、営業利益は25億86百万円(同2.5%減)と増収となりました。
地域別(国内)の状況は、北海道地区は前期の経済対策効果の剥落と地方経済の減速により官民ともに需要が減少しましたが、当地区における圧倒的なシェアと情報化施工、新幹線工事等でレンタル収入は前期比10.5%減に留めることができました。一方、東北地区は震災や豪雨災害の復旧・復興特需で同26.6%増、関東地区は計画停電に絡む発電機需要や液状化被害の復旧・復興需要から同12.4%増、震災の影響がなかった近畿中部地区では豪雨災害の復旧需要や民間設備投資に牽引され同6.3%増、九州沖縄地区はこれまでの官需に加えて新燃岳対策や豪雨災害需要もあり同0.1%減とほぼ前期並みでありました。
また、当事業における中古建機の販売売上高は、震災復旧向けの建機を確保するため当期計画売却分を一部順延したことから前期比44.1%減となりました。
なお、海外事業につきましては業績に占める割合は極めて些少でありますが、中国で展開する上海金和源建設工程有限公司は、金融引き締め政策による経済減速の影響はありましたが、天津、武漢、南京、寧波などに拠点を設け需要の取り込みを進めた結果、上海万博特需で伸長した前期並みの業績結果となりました。香港は旺盛な需要により順伸いたしましたが、SJ Rental, Inc.(米国準州グアム)は米軍施設移転が進展せず、ほぼ前期並の売上に止まりました。

〈子会社の状況〉

当社のレンタル事業部及び第一機械産業(株)(連結子会社)、(株)カンキ(連結子会社)、東洋工業(株)(連結子会社)の3社は、建設機械器具等のレンタル・販売を行っております。各社は当社から必要に応じてレンタル用資産を借り受けております。また、当社は必要に応じて、各社からレンタル用資産を借り受けて他社へレンタルを行っております。
(株)アシスト(連結子会社)並びに(株)コムサプライ(非連結子会社)では什器備品・保安用品等のレンタル・販売を、(株)エスアールジー・カナモト(連結子会社)では建設用仮設資材のレンタル・販売を行っております。当社は必要に応じて前記3社よりレンタル用資産を借り受けて他社へレンタルを行っております。
なお、上述の(株)エスアールジー・カナモト(本社:札幌市中央区)は、2011年11月1日付で当社に吸収合併いたしました。
(株)カナテック(連結子会社)では仮設ユニットハウスの販売を、フローテクノ(株)(非連結子会社)では地盤改良用建設機械の技術開発・製作・販売を行っております。当社は必要に応じて前記2社より仮設ユニットハウス及び地盤改良用建設機械を購入しております。
また、(株)九州建産(連結子会社)は建設機械、基礎機械のレンタル・販売のほか建設用クレーンや小物機械を主軸にしております。(株)九州建産は、当社から必要に応じてレンタル用資産を借り受けております。
上海金和源建設工程有限公司(連結子会社、中国上海市)と、SJ Rental, Inc.(連結子会社、米国準州グアム)は、建設機械器具等のレンタル・販売と、建設資材の輸出入業務を行っております。
上述のほか、非連結子会社は、(株)KGマシナリー、金本(香港)有限公司、Kanamoto & JP Nelson Equipment (S) PTE. Ltd. の3社があり、(株)KGマシナリー(非連結子会社、東京)は、主に海外で特殊大型建機をレンタルしております。金本(香港)有限公司(非連結子会社、中国香港)は、当社からレンタル用資産を借り受けて建設機械器具等のレンタル・販売と、建設資材の輸出入業務を行っております。Kanamoto & JP Nelson Equipment (S) PTE. Ltd.(非連結子会社、シンガポール)は、シンガポールで土木特殊機械のレンタル・販売を行っております。

連結経営成績の結果

(単位:百万円) 括弧内は前期比増減(%)
第46期
2010年10月期
第47期
2011年10月期
売上高 70,173 (9.9) 71,086 (1.3)
営業利益 2,648 (—) 2,905 (9.7)
経常利益 2,083 (—) 2,239 (7.5)
当期純利益 1,041 (—) 1,165 (11.9)

セグメント別売上高

(単位:百万円)
第46期
2010年10月期
第47期
2011年10月期
前期比
増減率(%)
建設関連事業 64,263 64,711 0.7
その他事業 5,910 6,374 7.9
合計 70,173 71,086 1.3

 

■ その他の事業

北海道で展開する鉄鋼製品販売については、道内需要は一服したものの鋼材市況は震災による不足感も手伝って高止まりが続いたことと、資材販売に努めたことから売上高は前期比4.6%増でありました。一方、情報通信関連ではパソコンレンタルが伸長したこと、その他特定人材派遣に関しても順調に業容拡大できたことから、同23.3%増でありました。
以上の結果、その他の事業の連結会計年度の売上高は63億74百万円(同7.9%増)、営業利益は1億43百万円(同213.6%増)となりました。

事業所数の増減

当期の拠点新設閉鎖につきましては、新設は2拠点、閉鎖は8拠点でありました。
新設:六ヶ所営業所・気仙沼営業所
閉鎖:白糠機械センター・富川機械センター・室蘭機械センター・幕別機械センター・矢板出張所・南陽営業所・村上出張所・平取機械センター

中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、2014年10月期までの長期経営計画を策定しておりましたが、当初想定した経営環境が大きく変化しており、残る3期間の収益目標を下記のとおり再設定いたしました。なお、東日本大震災による復旧・復興需要はこの中期計画内である程度の収束を見る一過性の需要と捉え計画したものであります。経営戦略の骨子は下記のとおりであります。

❶東日本大震災、福島原発事故への対応

復旧・復興支援に強くかかわることは当社グループが果たすべき社会的使命と考え、引き続き建設関連機材の適時供給に努めるとともに、当社の得意分野である地盤改良のほか、原発事故も専任部隊を設置しており、長い年月がかかりますが継続して事業参画してまいります。東北、関東の被災地の一日も早い復旧・復興を実現するべく鋭意努力いたします。

❷国内営業基盤の拡充と拡大

官民の需要が集中する首都圏のほか、関東以西の手薄な地域への拠点展開などM&Aを含め積極的に推し進めます。また、広域特需営業部を中心としてグループ企業が連携して、営業拡大を図ってまいります。

❸新規分野、新規事業の拡大

バイオマス発電をはじめ、電力不足を補完する新発電施設への希求が強くなっております。当社取り扱いの米国キャプストン社製マイクロガスタービン発電機は既に国内バイオマス発電施設への納入実績もあり、バイオガス発電推進協議会の主力メンバーとして、参入機会を拡大させるほか、建設業種に拘らず他分野へのレンタル事業の展開を進めてまいります。

❹海外展開の推進

現地法人を設けている中国本土、香港、グアム、シンガポールのほか、発展著しいASEAN諸国への展開を進めます。中古建機販売については、品質の高さから当社のネームバリューを各国で高めており、海外の事業展開にも大きく寄与することから、引き続き良質な中古建機の提供に努めてまいります。

❺資産運営の効率化

引き続き低稼働資産の洗い出し処分と、資産導入、売却にあたっては機種・年式構成の適正化を図りつつ、レンタル資産の運用収益率向上に努めます。

新長期経営計画の
収益目標(連結)

(単位:百万円)
2010年10月期 2011年10月期 2012年10月期 2013年10月期 2014年10月期
売上高 当初計画 67,100 68,100 69,300 70,700 72,200
新計画 ※70,173 ※71,086 72,610 74,700 76,630
営業利益 当初計画 1,100 1,800 2,900 3,800 4,300
新計画 ※ 2,648 ※ 2,905 3,780 4,370 5,000
※は実績値となります。

 

次期の見通し

欧州債務危機の深刻化に伴い、世界的な金融市場の硬直化が進展しており、自由経済の綻びは新興国へも波及しております。この混迷は収まる処を知らず、輸出に頼る日本経済へも大きく影響しており、円高基調が一段と深化する要因ともなりえます。打開策が見えない金融市場の縮小が、日本のデフレ傾向を増長させる懸念もあり、消費の低迷、設備投資の縮小など日本経済の先行きはますます不透明となっております。
当社グループの収益を左右する日本国内の建設需要は、震災復興需要は大きく見込まれるものの、被災地域の復興計画の趨勢も未だ不透明でありまだ時間を要すること、また、国の公共事業関係費は大幅に削られており、全国的に公共投資も多くは望めません。また、民間設備投資は景気の先行き不透明感から各企業は新規投資に慎重な姿勢を崩しておらず、特に地方部における建設需要は厳しさを増しております。建機レンタル業界は震災復興需要が見込まれる地域を除き、各地域での業者間競争の激化は必至で、一進一退の経営環境が続くものと思われます。
当社グループでは、当期同様に東日本大震災の復興対応を一層充実させるとともに、被災地域以外ではグループの総力を挙げて官民需要の囲い込みを行い、盤石な営業基盤の形成を進めていきます。また、製造業など建設業以外からの需要として発電機需要も継続して見込まれることから、今後の新たな事業領域として注力してまいります。

一方、震災対応のため一部順延していた自社機の中古建機売却につきましては、新車投入が漸次進んでいることや、海外でも災害復旧対応として中古建機需要が高まっていることから、来期は例年同様の売却計画を策定しております。なお、現状は計画通りの売却が可能と判断しておりますが、海外の中古建機市況と為替動向を注視しながらより一層慎重に対応していきます。
また、引き続き原価の抑制と資産の効率的運用を図り体質改善施策に注力するとともに、大きな成果を上げている広域営業体制の強化を進めていきます。これらに加え、建設以外の分野でのレンタル需要の創出など、あらゆる側面から収益確保の一層の推進に努めます。
以上、2012年10月期の業績につきましては、建機レンタルは東北地区で震災復興需要が見込まれること、また自社機の中古建機の売却を漸次進めることなど増収要因はありますが、しかしながら震災地域以外の建設需要動向が不透明であること、震災対応のため追加導入したレンタル資産の減価償却負担が増加すること等々を考慮し、下表の予想をいたしております。引き続き地域別の建設需要動向に注視して、資産の有効的配置やユーザーへの的確な対応により増収に努めるほか、国内外での新分野、新市場を切り開くなど業容の拡大に努めます。

なお、全体に占める収益割合は僅少ですが、当社子会社が展開する海外につきましては、中国では金融引き締め政策もあって不動産バブルが顕在化し民需に大きな陰が落ちはじめており、また米国準州グアムでは米軍の移転問題が膠着しており再開発事業は不透明な状況であります。一方、香港並びにシンガポールについては現状では特段の変調はありません。それぞれの地域で民需減退の影響を受ける懸念がありますが、幸い公共事業へのレンタルを主軸に深耕度合いを深めてきており、引き続きカントリーリスク・事業リスクを十分に考慮しつつ業容拡大を目指してまいります。

2012年10月期の連結業績予想

(単位:百万円)
第47期実績
(2011年10月期実績)
第48期通期業績予想
(2012年10月期通期業績予想)
売上高 71,086 72,610
営業利益 2,905 3,780
経常利益 2,239 3,040
当期純利益 1,165 1,350
1株当たり当期純利益 35.51円 41.12円

2012年10月期の個別業績予想
(カナモト単体)

(単位:百万円)
第47期実績
(2011年10月期実績)
第48期通期業績予想
(2012年10月期通期業績予想)
売上高 60,906 62,100
営業利益 2,819 3,050
経常利益 2,598 2,740
当期純利益 1,433 1,390
1株当たり当期純利益 43.65円 42.33円
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